賃貸契約に際して

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賃貸契約の主な流れ

1.「入居申込書」の提出

まず、「入居申込書」という書類を書いて頂きます。これは家主に入居(契約)の伺いを立てるもので、家主はこの書類を頼りに契約の可否を決められるので、なるべく全ての項目を詳しく記入しましょう。家主によってはある特定の職業の人としか契約しないとか、連帯保証人が一定の条件を満たしていなければダメだとかの場合もありますので、「入居申込書」を出して頂いても必ず契約出来るとは限りません。家主の希望として多いのは、入居者本人が転勤のあるサラリーマンで会社契約の出来る人、公務員の人、そして連帯保証人が入居者本人の勤務先の雇い主(或いは大きな会社等の場合は上司等)、親等の親族、更に宇和島の物件の場合は住所が宇和島の人、等で複数必要な場合もあります。
尚、「入居申込書」は契約書ではありませんので「入居申込書」にある、「連帯保証人」の欄は、連帯保証人になって頂く方の了解があれば、申込者などの別の方が記入してもかまいません。但し、細かい項目もありますので、電話などで詳しく内容を聞いておく事が必要です。本人の欄も含めてこの「入居申込書」に虚偽があると、それを理由に契約が解除される事もある(「賃貸契約書」の中に条項がある)ので、慎重に記入しましょう。

2.「賃貸契約書」の作成

「入居申込書」を家主に見てもらい、許可が出ましたら「賃貸契約書」をお渡ししますので、今度はこれを記入します。「賃貸契約書」の「連帯保証人」の欄は、必ず連帯保証人本人に記入してもらいます。
契約書は家主用と入居者本人用の同じものが二通ありますが二通共、同じ様に記入します。捺印の印鑑に家主が実印を指定した時は合わせて印鑑証明が必要となる場合もあります。

3.契約書と費用

「賃貸契約書」をお渡しする時に通常は、「支払い明細書」という契約に関わる費用の明細書も一緒にお渡ししますので、契約書と共にその費用を持参します。ちなみに、住宅の場合だと敷金2ヶ月分、礼金1ヶ月分、前家賃1ヶ月分、仲介料1ヶ月分で最大5ヶ月分を考えておけばだいたい足りると思います。但し、駐車場代や共益費が別の場合はオーバーする事もあります。

4.カギ

契約書とお金を家主に渡して、入居者用の契約書や領収書に家主の署名捺印をもらい、物件のカギを預かればいよいよ入居が可能になります!

※ご注意
契約はあくまで早い者勝ちが原則ですので上記の「2」の「賃貸契約書」の作成に時間がかかり過ぎると家主が他の人と契約をしてしまう場合があります。また、引越し等、物件を使用出来るのは上記の「4」の通り家主に契約書とお金を渡した後になります。

「敷金」、「連帯保証人の義務」について

敷金について

契約の終了時において、賃借人の側に家賃の債務や賃借物について損害賠償債務が存在している場合には、賃貸人はその額を敷金から差し引く権利を持っています。
しかしこれは、賃貸人の権利であって、義務ではないから、家賃を滞納した賃借人や連帯保証人が契約の解除を免れるため等に滞納分を敷金から差し引け、と主張することはできません。
敷金はあくまでも契約の終了時に清算するお金であって、予め滞納家賃等には充当できないことをお忘れなく。

連帯保証人の義務

保証人は、賃借人が支払いを怠った場合等にそれに代わって支払う義務を負い、それは債務の元本の他、利息、違約金、損害賠償等、主たる債務から生じるものについても支払う義務を負いますが、賃借人より重い負担を負うことはありません。「連帯保証人」は、賃借人と連帯して責任を負うもので、通常の保証人の様に債務者の背後にあって補充的に債務の履行を担保する立場にあるのではなく債務者と並んで債務の履行について責任を負うことになります。そのため、補充性がないので「連帯保証人」は、
  ・催告の抗弁権(賃貸人から支払いの催告を受けたとき、まず賃借人に請求をしてくれ、という権利)
  ・検索の抗弁権(賃貸人が、強制執行の手続きを賃借人及び保証人に対してとった場合、保証人が賃借人に弁済の資力があり容易に執行できる資産があることを証明して、賃借人の財産から先に執行してくれ、と言う権利)
  ・分別の利益 (数人が保証人になる共同保証の共同保証人は二人なら半分ずつなど、平等の割合で分割された額についてだけ保証債務を負う、というような負担の軽減)等が認められません。
つまり「連帯保証人」はあたかも自分が賃借人のごとく、賃貸人からの債務の請求には応じなければならないことになります。(民法第446,447,448,452,453,454,456条等を参照)
以上は、「連帯保証人」の住所、勤務先、賃借人との関係等が、契約時と変わったとしてもその責任を免れることはできません。